
人生100年時代と言われるようになった今、自分が働けなくなった時の収入源を早めに確保しておくことが重要になっています。
しかし、今の20~30代が定年を迎えた時、年金の仕組みが維持できているかに不安を感じているという方も多いのではないでしょうか?
そのため、近年投資を始めるという方がかなり多くなってきています。
ただ、何も考えずに投資をするだけでは損失を出してしまう可能性もあります。
そこで今回は、しっかりと将来に向けた資産形成をするための投資において重要な考え方と、その思考を学ぶことのできる書籍をご紹介していきます。
そもそもなぜ投資をするの?
投資というと、お金に余裕のある資産家だけがやっているようなイメージを持っている方もいますが、今は一般の会社員の方でも投資を行っておくことが必須の時代となってきています。
その理由としては、「終身雇用がほとんどなくなってきていること」と「少子化により年金制度が成り立たなくなってきたこと」が挙げられます。
昔は60歳までは企業が生活を保証してくれており、退職後は会社からもらえる退職金と国からもらえる年金で充分に生活することができていました。
しかし、今は不況の中で企業が終身雇用を約束することが難しくなっており、国も副業を行うことを推進しています。
その上、少子高齢化に伴って、たくさんいる年配の方を若者が年金で支えていくという仕組み自体が成り立たなくなってきています。
そのため、自分の老後は自分で考えて生活できるだけの資金を用意する必要が出てきました。
しかし、今の生活を維持しながら老後の資金を貯めるのは大変ですし、その分収入を上げるというのもなかなか難しいでしょう。
だからこそ、投資を行って自分が働いている時間にも別で収入を作ることのできる仕組みが用意されているのです。
投資に必要な基本的な考え方
投資とは、お金に働いてもらいお金を生み出すという考え方が必要となります。
私たちが会社に行って働き会社からもらう給料は「労働収入」、投資で稼いだお金は「権利収入」といいます。
この2つの違いを覚えておくことが大切です。
労働収入とは
労働収入とは、自分の持っている労働力や時間を企業に提供し、その対価としてお金をもらうという方法です。
そのため、会社にいる時間を拘束されたり、会社に利益が上がるように貢献する必要があります。
労働収入は特に他に資産を持っていなくても、自分が持っている労働力や時間、スキルを使うことによって稼ぐことができますが、人間の体力と時間には限界があるので、稼げるお金は限られてきます。
権利収入とは
権利収入とは、その人が権利を持っていることによって、その分の報酬がもらえるという方法です。
投資全般は権利収入となりますし、労働収入のように労働力が必要にならないので、「不労所得」と呼ばれることもあります。
例えば、株の場合はある銘柄の株を購入し保有しているから、株主にはその分の配当として毎年会社から利益が分配されますし、不動産投資の場合は自分の持っている不動産を誰かに貸し出すことによって、家賃を収入として得ることができます。
その他でいうと、本の印税も本の執筆者という権利を持っているからこそ、売れた金額から一定の割合のお金が報酬として入ってきます。
このように権利収入は、自分が持っている権利によって報酬が得られるので、自分の労働力を使う必要はありませんが、大半の場合はその権利を獲得するために資産が必要になったり、一定のスキルを要するので、何もせずに得られるものではありません。
持っているお金を使ってお金を稼ぐ
大半の方がベストセラーになるような本を書いたりする能力は持っていないと思います。
一般の方ができる投資方法としては、「自分の持っているお金を働かせる」という方法となります。
会社に行って働き受け取った給料を別の場所で働かせることによって、あなたが労働収入を得ている間にもプラスアルファで収入を作ることができます。
そのように収入源を増やしていくことによって、自分の持っている資産の量を増加させていくというのが、投資の基本的な考え方になります。
投資の考え方を学べるおすすめの本
ではここからは、今から投資を始めるという初心者にぜひ投資をする前に読んで学んでほしい書籍をご紹介していきます。
投資の考え方をきちんと学んで投資を始めれば、より効率よく資産を増やしていくことができます。
やみくもにお金を稼ごうとしても、失敗して資産を失ってしまうこともありますので、ぜひ事前に読んでおくようにしましょう。
投資家が「お金」よりも大切にしていること
この書籍は、レオス・キャピタルワークス株式会社の代表取締役社長である藤野英人さんの書籍です。
レオス・キャピタルワークス株式会社は投資信託の委託業務をしている会社であり、著者の藤野さん自身も若い頃から有名な資産運用会社に勤めながら、20年以上投資を行ってきた投資家です。
この本は10代~20代の方向けに書かれた本となっています。
その理由として、著書の中で「お金のことを考えることは自分の働き方や生き方を真剣に考えることと同義」という風に藤野さんは語っています。
日本人はお金=悪だと思っている人が多い
この著書の第一章は「日本人は、お金が大好きで、ハゲタカで、不真面目」というタイトルからスタートしています。
たしかに、日本人は「お金儲け=悪」と考えている人がかなり多くいるので、お金儲けをしている人は悪いことをしているに違いないと考えている方が多いように感じます。
しかし、あなたが何か商品を購入してお金を払った場合、そのお金はどこにいったのかを考えると、その発想は間違っているということに気づきます。
自分が支払ったお金は会社の売り上げとなり、その会社で働いている人の給料になったり、その会社の仕入れとして使われその商品を作った会社の売り上げになったりします。
このことから分かることは、お金は循環しながらたくさんの人の生活を支えているということです。
つまり、たくさんお金が集まってくる人は、それだけ誰かの役に立つことをしてその分消費をし誰かの生活をまた支えているということになります。
こう考えると、お金を稼ぐことだけではなく、使うことにも高い価値があるということになりますよね。
ただ、日本人はそこまでのことを考えずに、お金が好きなのにも関わらずそれを隠して自分だけが豊かになろうとする人が多くいます。
しかし、実際には周りの人を豊かにしていくことで国全体が豊かになっていき、自分自身も豊かな生活を送ることができるようになるのです。
誰もが人生をかけて社会に投資している
そのように考えると、すべての人が人生を通して社会に対して貢献をしている「投資家」であると言えるというのがこの著者の考え方です。
特に株やFXを行っていなくても、物を買ったりサービスを利用するだけであなたはすでに投資家であるということになります。
普段の生活でお金を使う時からそのような発想を持ってお金の使い方を考えるだけでも、自分の人生が大きく変わってくると思います。
金持ち父さん貧乏父さん アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学
この書籍は、投資の指南書と言っていいほど、世界的にベストセラーとなっています。
この本の中では、金持ちになり金持ちであり続けるための秘訣として「この本を読むこと」と記述されています。
これはかなり自信過剰な発言のようにも見えますが、この言葉に偽りのないほど、投資に必要な思考を学ぶことができる書籍となっています。
2人のお父さんから学ぶ
金持ち父さん貧乏父さんでは、2人のお父さんが出てきます。
1人のお父さんは大学で博士号を取得しており、もう1人のお父さんは中卒です。
どちらも一生懸命に仕事に打ち込む人だったのですが、博士号のお父さんは人生を終えるまでずっとお金に苦労し、中卒のお父さんはとてもお金を稼ぎ裕福になりました。
この2人の人生や生活、口癖からどうすればお金持ちになれるのか、という考え方を学ぶことができるのがこの本の特徴です。
金持ち父さんと貧乏父さんの違い
ではこの2人はどのような点が違うのでしょうか?
貧乏父さんはお金を稼ぐために、しっかりと勉強していい企業に入り、お金の話はしません。
反対に金持ち父さんはお金の話をよく子どもにし、お金を作り出す方法を常に考え、勉強はいい会社を買うためだと言います。
この普段の口癖から分かる思考の違いは明確です。
お金持ちになるためには、収入を作ることができる資産を手に入れることが重要です。
どんどん貧乏になる方は、負債を資産だと思って買ってしまっています。
お金をより作り出すためには何をしたらいいのか、それにフォーカスし、お金を生み出すものにお金をかけるという発想がキーポイントとなります。
このような話をより分かりやすく解説してくれているので、普段はあまり本を読まない人でもサラッと読むことができる書籍です。
マネーの公理 スイスの銀行家に学ぶ儲けのルール
この書籍は、13歳から株式投資を行っていたマックスギュンターという方の書いた本です。
この本は株式投資やFXを行いたいと考えている人には、ぜひスタートする前に一度読んでほしいと思う内容が詰め込まれています。
すべての投資は投機である
この本で印象的な言葉は、「すべての投資は投機である。唯一の違いは、ある人はそれを認め、ある人はそれを認めないことだ。」という言葉です。
よく投資の勉強をしていると、投資と投機は違うという言葉を目にしますが、世の中に絶対はありませんしそれを知る人もいません。
そのため、すべての行動が投機ということになります。
それを理解していれば、万が一失敗した時のリスクヘッジも必ず行うので、リスクを最小限にすることができるでしょう。
それが投資の重要なポイントになると言えます。
楽観と自信は違う
この本の中では、「楽観は最高を期待することを意味し、自信は最悪に対処する術を知っていることを意味する。楽観のみで行動してはならない」という言葉も記述されています。
よく自分自身の未来に期待を持っている方のことを「自信がある人」と例えてしまいがちですが、最悪のことを想定しそれに対する対処法を持っていないと、自分の想定と違う結果になった場合に対処することができなくなってしまいます。
そのため、しっかりと自分の未来を見据えて、最悪の場合でも何かしらの方法を持っておくという発想をつけておけば、投資で大きな失敗をするという事実はなくなるでしょう。
インベスターZ(漫画)
この本は、ドラゴン桜を書いた三田紀房さんが、投資の考え方をより分かりやすく物語形式でマンガにして書いたものです。
あまり本を読むのが得意ではないという方でも、サラッと読んでいるうちに投資の基本的な考え方をつけることができるのでおすすめです。
お金とはなぜ生まれたのか?
この本はまずお金とはなぜ生まれたのかという疑問からスタートします。
お金を稼ぎたいと誰もが思っていると思いますが、お金は実際のところ物質としてはただの紙切れです。
ただ、物々交換の時代からより効率よく価値を交換するために共通認識を持った紙幣が便利だったため、お金に価値がついているだけなのです。
そのため、そのお金が持つ意味を理解していないと、資産を増やすことは難しいでしょう。
20歳の若者が持っている資産は時間
20歳で今何も持っていない人間が唯一持っている資産は時間だと、この漫画の中では書かれています。
この時間を使ってお金に変えていくという作業が働くということです。
しかし、実際にサラリーマンになってどれだけ一生懸命働いても役員になれる人はほんの一握りの人間です。
そのため、実はサラリーマンという職業はかなりリスクの高い業種なのだと言われています。
時間にも限りがあり、その時間を使っても役員などの高収入を得ることは難しいのであれば、自分自身で効率よくお金を生み出す手段を持っていることがとても重要になります。
それを実現できるのが投資です。
まとめ
いかがでしたか?
今回紹介した書籍は、どれも投資について大切な考え方を学ぶことができるものですが、投資をまだ行わないという方でも人生において重要なことを教えてくれる本ばかりです。
読んで知って生活するのとしないのでは今後の未来が大きく変わると思いますので、ぜひ一度手にとってみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。